本技術は、フィンランド国立技術開発センター(VTT; 日本の産総研に相当)の化学部門によって、1990年代初頭に開発された。
以後、電子技術部門に引き継がれ、センサーとしての応用開発のみならず、逆に電圧を加えてシートの厚み変化を利用したスピーカーの応用まで手がけてきた。現在、研究所の手を離れ、EMFiTech社に権利が移管され、実用化に向けて多くの開発が続けられている。
材料は、現状ではpp製シートであり(Fig.1)、厚さは約30μでそのシート内部に無数の平均直径1μ程度の空洞(バブル)を形成させている。EMFiの新規性はこのバブル構造にある。フィルムはロール状に巻いてある状態で、化学会社から入荷し、次の段階で、シートに輪転機での印刷の如くRoll-to-Rollにて比較的高速度で物理的に電荷をチャージさせる。荷電されたフィルムは電荷を細泡バブルの中に捕獲しており(Fig.2)、容易には逸散しない。この状態のフィルムが、此処で紹介するセンサーのエレメント用素材となる。
このエレメント用素材を、導電性フィルムで両側からサンドウイッチ状に挟む。導電性フィルムは、一般にはポリエステルフィルム(PETが代表的)の片面にスクリーン印刷などで導電性ペーストを塗布した物が使われる。印刷されたペースト面が素材側になるように張り合わせる。 左図では、"Metal Electrode" と記してある。この状態で、センサー・エレメントが完成する。
これは、一種の静電容量センサーであると考えられる。但し、電解質に相当するものがポリプロピレンであり、普通のキャパシターと異なる。理屈は100%は解明されていないが、事実はFig.3 にあるようにセンサー・エレメントに力を加えると、即ち圧力を加えると、その力(圧力)に比例した電荷の移動があり、上下の導電フィルムにmV オーダーの電位差が発生する。この時、オシロスコープ等で電圧変化を観察する事が出来る。この原理からも判るように、捕らえた変化は電圧だけであり、電力たり得ない。この事は、最も市場に多く出回っているピエゾ・センサー同様、所謂、プリアンプによってパワーアップしなければならない。
最近注目されている応用分野は老人医療・介護用である。センサー・エレメントそのものは、上記のような作りである為、単位面積当たりでは比較的安価である。その安価な事を利用した事例として、老人ホームなどでの要監視患者のモニター用としての応用がある。この場合、床全面にこのセンサーを敷き詰め、患者の位置検知がダイナミック行われる。情報は、フィンランドの場合トランスミッター経由ナースステーション乃至は携帯電話に通報され、24時間リアルタイムな監視が可能となる。
同様に、防犯用として、センサーを窓際の床下面に張っておくとか、軒下で窓の位置付近にセンサーを土中に埋め込んでおけば、不法侵入者の自動検知が可能となる。
防犯用で実用になっている例(Fig.7):モーター・ボートやヨットの室内の床にマット・センサーを仕組んで、侵入者の信号を携帯電話経由で自宅、乃至は監視所へ通報する。


本センサーは、安価であると言う特徴の他に特筆すべき特徴がある。
その一つは、付加加重帯域が極めて広い事で、自動車のような数トンから、人間の体重50乃至100Kgのオーダーの加重変化に重畳して心拍や呼吸脈のようなmg オーダーの変化を同時に捉えることが出来ると言う事実である。
もう一つは、対周波数応答の幅が極めて広い事である。人間の可聴周波数帯は20Hz~2万Hzと言われているが、本センサーは、数Hzから20万Hzまでを再現出来る。従って、弦楽器に適用すると、その音域の広さが理由で聴覚に非常に自然な音を訴える事が出来る。因みに、本センサーを搭載したギターを使用したアーティストは、従来品を使う事は全くナンセンスとなる。そんな定評を獲得しており、ギター用のピックアップは遅かれ早かれEMFiセンサーに全て取って代わると思われる。
下図は、マット・センサーの生データを、ミリグラム・オーダーの感度にしたプレアンプを通してPCスクリーンに示した例である。左図は心拍で右は呼吸拍(同じ感度とスイープ速度で検知している)。
【動画でデモンストレーション】



本技術は、フィンランド国立技術開発センター【VTT; 日本の産総研に相当】の化学部門によって、1990年代初頭に開発された。現在、研究所の手を離れ、EMFiT社に使用実施権が移管され、実用化に向けて多くの開発が続けられている。EMFiT社は、日本への普及の為ユーロ・プロテック株式会社に独占販売権を平成17年4月に与えた。 センサーの心臓部分は多孔性ポリプロピレンのシート(図1)で、約30ミクロンの厚さを有し、それを更にエキスパンダを掛けて厚くしたもの(約70ミクロン)が超高感度感圧センサーとして使われる。